アナール学園

不実なる街の住人「アナール学派」のブログです。

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四つの幸福論

2820.png

(この絵はとあるサイトの掲示板に投稿したものの再利用です)

ここに四つの幸福論がある。
『幸福論』(ヒルティ 1833~1909)
『幸福論』(アラン 1868~1951)
『幸福論』(ラッセル 1872~1970)
『幸福論』(ヘッセ 1877~1962)
の四つだ。

ああ、なんとめでたいことか。
聖書には四つの福音書があったが、我々一般人にも、かくも名高き人々が書いた四つの福音(Good news)が用意されているのだ。
なんとも心強いことではないか。これで、我々の幸福も約束されたようなもの!
・・・んなわけがない。
以下に上記の『幸福論』が言いたいことを、かなり乱暴に要約してみよう。

ヒルティ:キリストに従いなはれ、あと、きばって仕事しなはれ。
アラン:明るく生きろ!幸せなんて気の持ちようさ、ベイベー!ファオー!
ラッセル:常識をわきまえなさい。仕事をして、周りのみんなに認められなさい。
ヘッセ:お爺ちゃんの子供の頃はなぁ…、そりゃ、幸せやったよぉ…。

ああ…つまらない。
いや、つまらないとは言いすぎだ。読み物としてはそこそこ面白いのだから。
だが、ウザイ…。
こんなものでは幸せにはなれない!断言してもいい!
各々言ってることは正しい。正しいが、何たる空虚感あふれる言葉だろう。スカスカ。まるで不味いイカの刺身を無理やり食わされているようだ。
我々は多くの場合、まったくの不幸の中で生きていると感じている。不幸のパッチワークに包まれて、不幸の金太郎飴を舐め続けて生きていると感じている。
おまけに、身に降りかかる不幸は極めてリアルだ。悲しみは胃に重く、後悔は鼻の奥でツーンと沁みる。自己嫌悪は、二日酔いより長く不快に頭の芯にとりついてくる。
そんな中で生きている我々が、こんなスカスカで幸福になれるわけがない。
だから、こんなものは無視しよう。そして、こう言おう。「不幸万歳」と。
人生とは不幸が織り成すものなのだ。
考えてもみて欲しい。幸福と不幸、どちらが重いかと。そんなものは、不幸に決まってる。
人は幸福にはさっさと慣れ、不幸はいつまでも引きずる。
もし、ある日突然、背中に羽が生えて飛べるようになっていたとしよう。何たる幸福!しかし、次の瞬間からは人はこう思う。高いところは怖い。落ちたらどうしよう。電線に絡まったらどうしよう。鳥に間違われて猟銃で撃たれたらどうしよう。アメリカ軍に捕まって実験体にされたらどうしよう。…etc、etc…。…ああ、なんてこったい…。
人間は意に反して、幸福より不幸を選択するようにできているのだ。
だから、不幸はいつまでも記憶に残る。それゆえ、人は不幸な生を送っていると感じるのであり、それは実に正しいのだ。
不幸でいいのだ。
足の小指が痛かったからこそ、ぶつかった本棚のことをいつまでも覚える。
派手な醜態を演じたからこそ、飲み会の光景をいつまでも覚える。
別れ際が醜かったからこそ、愛し合った日々をいつまでも覚えるのだ。
不幸でいい。不幸で…。苦くない思い出など、思い出ではない。
死にそうだからこそ、今生きていることを真剣に感じられるのだ。

生涯が全面的に不幸に覆われていたニーチェはこういう。
悲劇を悲劇として受け止め、なおかつ笑え、と。これこそが究極の幸福論だ。

本当の不幸、それは安易に『幸福論』に手を伸ばし、珍妙な自己啓発を行おうとする所から始まるのだろう。
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  1. 2005/05/06(金) 06:16:41|
  2. アナール学派の雑感|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:3
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コメント

こん

記念カキコ。
また来ま~す(・∀・)ノ
  1. 2005/05/08(日) 03:09:37 |
  2. URL |
  3. 改 #nVoyyyuY
  4. [ 編集]

記念かきこ

私達はいわば二回この世に生まれる。
一回目は存在するために、二回目は生きるために。
byルソー 
  1. 2005/05/08(日) 03:48:34 |
  2. URL |
  3. (- _ -) #-
  4. [ 編集]

どもども!

改さん!
初コメントはあなたのもの!
初物ほどありがたいものはない、というのは世の常です。
これからも、気楽に付き合ってくださいね。

(- _ -) さん!
ルソーの『孤独な散歩者の夢想』は、何ともブログ的であこがれてしまいますな。
俺もルソーのように思慮深くわがままにやっていきたいと考えていますので、よろしければ今後とも長い付き合いを!
  1. 2005/05/11(水) 01:13:03 |
  2. URL |
  3. アナール学派 #9v04HpB.
  4. [ 編集]

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